tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

VSR-10のフルチューニング(2016 GスペックOD)

ヤフオクでご落札いただきました。ありがとうございます。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s558234444
  開始価格:5,000円     落札価格:50,000円
  • 開始日時
    2017.12.05(火)00:10
  • 終了日時
    2017.12.10(月)00:32

室内使用のみ発射数100発未満の2016年物「GスペックOD」をチューニングしました。
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スコープはサイトロンジャパン実銃用 SⅠ 3-9×40 フリップキャップ付き。
マウントリングはHYUGA製 高さ9mm。
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マウントベースはノーベルアームズ製(ピカティニー規格)に換装。
上がマルイ純正、下がノーベルアームズ。
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 裏側
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元箱、取説、プレミアム特典のダミーカート、付属品全て揃っています。
マウントリングとエンドキャップ用の六角レンチも同梱します。
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滑らかなトリガープル、ノーマルを超える射程距離と命中精度。上質な操作音。簡単に何度でも調整可能な出力・初速。これらの実現を目指しました。

ノーマルとの発射音、操作音の比較をしています。

個体差はありますがVSR-10はレシーバーとレシーバーエンドの組み付け位置にずれがあるものがあります。使用していくと緩みも出る部分ですので、アルミシートを挿入して組み付けます。
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トリガープルを滑らかにするためトリガーシステムのパーツを研磨し、グリスアップして組み上げます。
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VSR-10の弱点の一つにアウターバレルとレシーバーの組み付けにガタがあることがあげられると思います(ストックに組み付ければ固定されますが)。
アウターバレルがレシーバーに1回転多くねじ込めるように、アウターバレル後端を研磨。両面に4箇所ある出っ張りの片面だけを切り取ったレシーバーリングを圧迫しながら正位置でぴったり止まる状態にします。圧迫されたレシーバーリングによりシリンダーの保持がタイトになります。
アウターバレルが僅かに後退することでノズルのパッキンへの当たりが強くなり気密がアップします。
ねじ止めしなくてもアウターバレルとレシーバーがガッチリと組み合い、発射音がかなり小さくなります。
この加工後はアッパーのみで(ストックに載せずに)、精密な射撃が出来るようになります。弾は1発づつ入れなければなりませんがアッパーにスコープを載せただけの状態で近距離の的あて、遠距離の弾道確認、初速・出力の計測等をしています。
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VSR-10のシリンダはノーマルだと開口部の内側にバリが残った状態です。そのまま使うとОリング、ピストン外周やリリースレバーを傷つけてしまうので綿棒でバリの位置を確認しながら、2000番の研磨フィルムで研磨し引っ掛かりがなくなるよう仕上げます。
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インナーバレルの入口から出口まで(内面も全て)研磨仕上げします。メンテナンスが楽になるよう自動車外装用(業務用、フッ素+ケイ素)コーティング剤で数回コーティングします。
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ピストンヘッドに4つ穴をОリング内側まで貫通させリードバルブ化。シリンダーヘッドのあたり面をテーパー状に加工し、ピストンヘッド面の穴を塞がないようにします。ピストン前進後の負圧対策で弾道を安定させます。
シリンダーヘッドのテーパー加工は浅いとピストンのエアブレーキの効きが早く(強く)、深くするほど効き始めが遅く(弱く)なります。
 加工前の状態
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  加工後
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ピストンに半田を巻き付け絶縁テープで固定、熱収縮チューブで保護。内部に長さ15ミリ、直径10ミリの金属製スペーサーを挿入しグリスを充填。重さは約50g。ピストンに半田を巻いただけの状態で45g位、テープ、チュ-ブ、スペーサーとグリスをいれて50g前後にします。ピストンの打撃音が静かになりスプリングのジャダー音も気にならないレベルになります。出力が規制値を超えるので最後にノズルの内径を絞ります。
ピストンの重さは50gを超えて増やしていくと、発射時にピストンが前進する反動で上下動が出てきます(リアルショックバージョンのように)。
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シリンダー内面、スプリング、ピストン内部にグリスを塗り組みあげます。
コッキングのたびにスプリングにグリスが行き渡るようにしています。
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VSR-10のノーマルのホップレバーの突起を嵩上げする形状に樹脂製パイプを加工して装着。
パッキンは純正品のままですが40から50メートルの弾道が落ち着き、飛距離は60m付近まで伸びます。
本機のホップ調整は0.20弾~0.30弾で「直進後なめらかに下降」から、「直進後山なりに上昇して下降」「直進後急速に上昇し失速してドロップ」まで調整可能です。
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出力調整のためノズル内径を3.5mm前後に絞ります。樹脂パイプを外径4mm、長さ7mm程に削りノズル先端から挿入しています。試射を繰り返し、内径を研磨フィルムで少しづつ広げて出力を調整します。内径を広げ過ぎると0.20弾で規制内でも重量弾でオーバーだったりしますので作り直します。
初速は0.20弾93m/s、0.30弾80m/s前後、出力が0.30弾使用時最大で0.96jとほぼ規制値付近まで出ています。
樹脂パイプはシリンダーヘッド内側から綿棒で強く押すと抜けてきます。六角レンチ等硬いもので押し出すと変形してしまいます。
内径の異なるパイプを作っておき、差し替えることで「出力規制値付近で長距離を狙う」ことや少し絞って「静音仕様」にしたりと一丁で性格の異なるVSRを楽しめます。
わずかな内径の調整ですが、出力や発射音、振動が大きく変化します。ノズルを絞らない状態ですと0.20弾~0.30弾で出力規制値を大きく上回ってしまいますので、必須の調整になります。
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シリンダーヘッドを回すのに工具は必要ありません。滑り止めのゴムシート等で回すことが出来ます。しっかり締めることも可能です。滑り止めのある軍手でもいいと思います。
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アウターバレルとインナーバレルの空間にウレタンスポンジを挿入し共振を軽減しています。
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ストックの吸音加工です。発射音の反響が減りかなり静かになります。
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カスタムの内容は以上になります。
お金を掛けていないカスタムですが、各部を調整するたびにアッパーを組み立てて試射し、また再調整、試射を繰り返しています
私が手を加えられる部分は残らずチューニング致しました。
ホップパッキン、シリンダーヘッドОリング、ピストンОリング、レシーバーリングに異常ありません。可動部はボルトハンドルとエンドキャップも含めて全てグリスアップしてあります。一部にネジロック剤を使用していますが、タミヤ製で弾力が持続するタイプですのでネジが回せなくて困ることはないはずです。
純正部品は交換が必要になっても大変安価で済みますので、長く愛用できると思います。

純正部品、純正組付け品で「唯一」悩ましいのは「VSR-10マウントベース」です。銃本体の命中精度が高いだけにとても残念なものが製造時期によりあるようです。
 右が銃口方向。
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 後から見ると左下がりに
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この画像は2016年Gスペックです。定規を当ててみると分かりますが後端が下がっています。よーく見ると後端は左下がりにねじれもあります。スコープを載せますと、前方のマウントリングに対して後方のマウントリングがわずかですが低く、左に傾いて固定されます。スコープは銃身に対して右斜め上を向くことになります。スコープ取り付け時にレティクルの水平垂直を調整したのに弾道が斜めに見える場合は、マウントベースの水平を確かめてみるのも一つの手だと思います。この部分で悩むのが嫌なので、ノーベルアームズ製を採用しています。こんな感じです。
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純正より少しだけお高いですし、Gスペックでは最初から付いているものを交換することになりますが、もしお悩みでしたらお試しください。
なお、2017年11月現在ショップ等で流通しているモデルでは、このマウントベースの問題は解消されています。新しい金型で作られたと思われる精度の高いものがついています。

シューティングレンジでの試射で、フライヤーが出ていましたが
「フライヤーの発生問題」は解決できました。
原因は、インナーバレル出口とサイレンサー入り口をつないでいる「マズル」の寸法誤差で幅1ミリほどの段差ができていました。
発射時にこの段差部分で空気の流れに乱れが発生していたようです(弾道の乱れが起きていた)。
インナーバレル出口とサイレンサー入り口をテーパー状につながるように加工し直し、インナーバレル先端の保持もノーマル状態よりタイトにしました。
加工後、同じシューティングレンジ(20m)で200発ほど試射いたしましたところ、「フライヤー」は1発も発生しませんでした。
20m先の幅5センチのポールの右半分、左半分に撃ち分けられるほど弾道が落ち着きましたのでご安心ください。
円筒状だった部分(1.5cm位)をテーパー状に加工しましたので、わずかに弾速が低下します。1~2m/s程度です。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は「Gスペック2016年物BK」「Gスペック2017年物BK」「プロスナ2016年物BK]等を予定しています。