tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

VSR-10のフルチューニング(2015プロスナ)

ヤフオクでご落札いただきました。ありがとうございます。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f242788508
開始価格:5,000円  落札価格:56,500円
  • 開始日時
    2017.11.14(火)23:46
  • 終了日時
    2017.11.20(月)00:46


カスタムパーツをほとんど使わず、2016年2月購入(新品)の東京マルイVSR-10プロスナイパーをチューニングしました。豪華?なスコープとウッドストックを組み合わせてみました。特にスコープは「入門用、エアソフトガン用」とは全く違う映像をみせてくれます。色乗りが良くて奥行き感のある映像です。

滑らかなコッキングとトリガープル。ノーマルを超える射程距離と命中精度。上質な操作音。簡単に何度でも調整可能な出力・初速。これらの実現を目指しました。
箱出しノーマル品との操作音、実射・空撃ちの発射音の比較をしています。

今回のチューニング個体です。
スコープは「tasco Titan 4-12×56 イルミネーション」
ストックはライラックウッドストック+未使用純正プラストック(吸音加工済み)
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付属品は全て揃っています。クリーニングロッド、アイアンサイトもあります。マウントベースを取り外した後の止めネジと専用レンチも同梱しました。
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スコープは本体と元箱、付属品全て揃っています。
マウントリング、マウントベースともノーベルアームズ製ピカティーニ規格。トルクスレンチと元箱あり。
スコープは2017年6月に未使用在庫品を入手しました。
tascoの最上位シリーズTitanはケンコー、ライト光機で製作されていたそうです。国内向けは対物径52mmまでだったようですが、出品の品は輸出仕様の対物径56mmでイルミネーションが搭載されています。国内に残っていたうちの最後の1本とのことでした。国内向け52mmイルミなしは定価9万円台だったようです。
ショップでの販売例です。
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ギアズームシステム搭載でズームリングの回転は独特の感触です。
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ノーベルアームズのVSR用マウントベース、30mmチューブ用リングは精度、重さ(軽い)、硬さ、価格でおすすめです。
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バトラークリークのキャップを前後とも装着。
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レティクルはガラスサンドウィッチ、15D、センターが赤いドットで発光します
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ストックは2017年2月に新品で購入したライラックスのウッドストックをTru-Oilで仕上げていますが、使い込んだ感じにしたくて、オリジナルの茶色の塗装をあちこちペーパーで削ってからTru-Oilを塗っています。 しばらく使いましたので、塗り直しをしました。スポンジで適当に塗っていますので凸凹があります。木ストは使えば表面がすり減っていく運命と割り切って仕上げの状態にこだわっていません。
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機関部は某有名?ショップの新品カスタム(2017年2月購入)だったのですが、、、。内容は、
シリンダー分解防止ピン解除
グリスふき取り
初速95m/s
以上でした、、。 シリンダー開口部のバリを残したままグリス拭きとってあったので、撃っているうちにОリングとピストン外周に傷が入ってしまう、残念なカスタムでした。

このプロスナイパーをカスタムしていきます。

個体差はありますがVSR-10はレシーバーとレシーバーエンドの組み付け位置にずれがあるものがあります。使用していくと緩みも出る部分ですので、ねじ止めしていなくても動かないようにアルミシートを挿入して正位置に組み付けます。コッキングがスムーズになります。
トリガープルを滑らかにするためトリガーシステムのパーツをピカピカに研磨し、グリスアップして組み上げます。研磨には2000番、8000番の研磨フィルムと20000番相当の超微粒子研磨剤を使っています。イメージ 28

VSR-10の弱点の一つにアウターバレルとレシーバーの組み付けにガタがあることがあげられると思います(ストックに組み付ければ固定されますが)。
アウターバレルがレシーバーに1回転多くねじ込めるように、アウターバレル後端を研磨。レシーバーリングを圧迫しながら正位置でぴったり止まる状態にします。
シリンダーの保持がタイトになり、アウターバレルが僅かに後退することでノズルのパッキンへの当たりが強くなります。発射音がかなり小さくなり、気密がアップします。
この加工後はアッパーのみで(ストックに載せずに)、精密な射撃が出来るようになります。弾は1発づつ入れなければなりませんがアッパーにスコープを載せただけの状態で近距離の的あて、遠距離の弾道確認、初速・出力の計測等をしています。振動、反動、音が文字通り手に取るように感じられます。
 アッパーの全長がコンマ何ミリか短くなるので、ウッドストックに組み込むとマガジンの出し入れがタイトになります。ウッドストックにアッパーを組み込む際にアッパーを前方に押し付けてからねじ止めすれば大丈夫です。純正のプラストックでは内部の空間に余裕があるため普通に組み込んで問題ありません。
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ピストンに半田を巻き付け絶縁テープで固定、熱収縮チューブで保護。内部に長さ15ミリ、直径10ミリの金属製スペーサーを挿入しグリスを充填。重さは約50g。ピストンに半田を巻いただけの状態で45g位、テープ、チュ-ブ、スペーサーとグリスをいれて50g前後にします。ピストンの打撃音が静かになりスプリングのジャダー音も気にならないレベルになります。出力が規制値を超えるので最後にノズルの内径を絞ります。

ピストンの重さは50gを超えて増やしていくと、発射時にピストンが前進する反動で上下動が出てきます(リアルショックバージョンのように)。

ピストンヘッドに4つ穴をОリング内側まで貫通させリードバルブ化。シリンダーヘッドのあたり面をテーパー状に加工し、ピストンヘッド面の穴を塞がないようにします。ピストン前進後の負圧対策で弾道を安定させます。
シリンダーヘッドのテーパー加工は浅いとピストンのエアブレーキの効きが早く(強く)、深くするほど効き始めが遅く(弱く)なります。

Oリングは純正品が手の入らないので「G.A.W  FRUS-Oリング」を使っています。
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マルイのVSR-10のシリンダはノーマルだと開口部の内側にバリが残った状態です。そのまま使うとОリング、ピストン外周やリリースレバーを傷つけてしまいます。
綿棒でバリの位置を確認しながら、2000番の研磨フィルムで研磨し引っ掛かりがなくなるよう仕上げます。
ピストン内にグリースを薄く伸ばしてスプリング、ピストン等をセット。
スプリングに塗った分とピストン内部に充填した分でコッキングの度にグリスが行き渡る状態にします。
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VSR-10のノーマルのホップレバーの突起を嵩上げする形状に樹脂パイプを加工して装着。
厚さは試射を繰り返して調整。0.20g、0.25g、0.28g、0.30g弾で試射していますが、ホップ調整に余裕があります。
パッキンは純正品のままですが40から50メートルの弾道が落ち着き、飛距離は60m付近まで伸びます。
本機のホップ調整は0.25弾~0.30弾で「直進後なめらかに下降」から、「直進後山なりに上昇して下降」「直進後急速に上昇し失速してドロップ」まで調整可能です。またホップ最大で撃っても弾詰まりは起きないように突起の高さを調整しています。
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VSR-10純正インナーバレルの入口から出口まで(内面も全て)研磨仕上げします。ノーマルではプロスナのインナーバレルは出口側テーパー加工がされていません(Gスペックは加工されています)ので加工しておきます。メンテナンスが楽になるよう自動車外装用(業務用、フッ素+ケイ素)コーティング剤で数回コーティングします。
チャンバー組み込み時にガタツキ防止のためにインナーバレルにシールテープを巻いて固定します。

アウターバレルとインナーバレルの空間にウレタンスポンジを挿入し共振を軽減しています。マズルキャップを外して銃口側から細長く切ったスポンジを螺旋状に挿入、圧縮していきます。インナーバレルを抜いてもスポンジは崩れません。
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出力調整のためノズル内径を3.5mm前後に絞ります。樹脂パイプを外径4mm、長さ7mm程に削りノズル先端から挿入しています。試射を繰り返し、内径を研磨フィルムで少しづつ広げて出力を調整します。内径を広げ過ぎると0.20弾で規制内でも重量弾でオーバーだったりしますので作り直します。

初速は0.20弾90m/s、0.30弾81m/s前後、出力が0.30弾使用時最大で0.98jとほぼ規制値付近まで出ていましたので、今回のメンテナンスでスプリング、ピストン内部に使用するグリスの粘度を変更、シリンダー内側のグリス塗り直しを行い、出力を落としています(0.9j前後)。数百発と撃って行くうちに初速、出力が上がっていくと思いますが、規制値内に収まると思います。

樹脂パイプはシリンダーヘッド内側から綿棒で強く押すと抜けてきます。六角レンチ等硬いもので押し出すと変形してしまいます。
内径の異なるパイプを作っておき、差し替えることで「出力規制値付近で長距離を狙う」ことや少し絞って「静音仕様」にしたりと一丁で性格の異なるVSRを楽しめます。
わずかな内径の調整ですが、出力や発射音、振動が大きく変化します。ノズルを絞らない状態ですと0.20弾~0.30弾で出力規制値を大きく上回ってしまいますので、必須の調整になります。イメージ 31

シリンダーヘッドを回すのに工具は必要ありません。滑り止めのゴムシート等で回すことが出来ます。しっかり締めることも可能です。滑り止めのある軍手でもいいと思います。
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カスタムの内容は以上になります。
お金を掛けていないカスタム(スコープとウッドストックは別として)ですが、各部を調整するたびにアッパーを組み立てて試射し、また再調整、試射を繰り返しています
一旦完成してから数ヶ月経ちましたので、11月14日に撮影がてら分解、微調整、部品交換、グリスアップ、出力調整を行いました。

私が手を加えられる部分は残らずチューニング致しました。
発射音はサイレンサーを装着しますとぐんと静かになりますが、チューニングしたGスペックにはチョットだけ及ばない感じです。出力を絞ればもっと静かになるのですが、、。

ピストン外周部にチューニング以前についたスレ傷があるのが欠点ですが、ホップパッキン、シリンダーヘッドОリング、ピストンОリングは異常ありません。可動部はボルトハンドルとエンドキャップも含めて全てグリスアップしてあります。一部にネジロック剤を使用していますが、タミヤ製で弾力が持続するタイプですのでネジが回せなくて困ることはないはずです。

純正部品は交換が必要になっても大変安価で済みますので、長く愛用できると思います。

純正部品、純正組付け品で「唯一」悩ましいのは「VSR-10マウントベース」で、せっかくの銃本体の命中精度を台無しにしてしまうものが、製造時期により存在します。右が銃口方向。
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反対側から。左が銃口方向。
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この画像は2016年Gスペックです。定規を当ててみると分かりますが後端が下がっています。よーく見ると後端は左下がりにねじれもあります。スコープを載せますと、前方のマウントリングに対して後方のマウントリングがわずかですが低く、左に傾いて固定されます。スコープは銃身に対して右斜め上を向くことになります。スコープ取り付け時にレティクルの水平垂直を調整したのに弾道が斜めに見える場合は、マウントベースの水平を確かめてみるのも一つの手だと思います。私はこの部分で悩むのが嫌なので、ノーベルアームズ製を採用しています。こんな感じです。
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純正より少しだけお高いですし、Gスペックでは最初から付いているものを交換することになりますが、もしお悩みでしたらお試しください。

純正ストックの吸音加工です。かなり静かになります。
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以上、ご覧いただきありがとうございました。

前回のGスペックのチューニング記事はこちらです。