tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

VSR-10フルチューニング005 初期ロットプロスナ PSS10パーツ ワンオフウッドストック

ヤフオクでご落札いただきました。ありがとうございます。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n246955534
  開始価格  : 15,000円       終了価格 :57,000円
  • 開始日時
    2018.01.11(木)23:59
  • 終了日時
    2018.01.19(金)00:01
豪華なライラクス PSS10「 テフロンシリンダー、シリンダーヘッド、ハイプレッシャーピストンゼロ、強化スプリング(120か130位)、スプリングガイド、ゼロトリガー」と「初期ロット東京マルイVSR-10プロスナイパー」、「ワンオフ(タクティカル)ウッドストック」のコラボフルチューニングです。
スコープは「実銃エアライフル用BSA essential 3-9×40フロントフォーカス」。

ノーマルを超える射程距離と命中精度。簡単に何度でも調整可能な出力・初速。これらの実現を目指しました。
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BSAお得意の金属製ねじ込み式キャップが前後に付きます。
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10メートル以下でもフォーカス可能です
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スコープは元箱、付属品全て揃っています。ハイマウントのリングもあります
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ストックはナカヤ製の「タクティカルTA-25 27,000円」に似ていますが、各部の寸法がVSRに合っていなかったり、素材や塗装が異なりますので、特注の一点物と思われます。全面的に加工し直しライトオークのオイル仕上げをしました。
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マガジン用開口部の後端に薄い木片を貼り付け給弾可能にしました。
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レシーバー固定位置が低く、ボルト閉鎖、トリガー動作、マガジン挿入に影響していましたのでアルミシートで調整しています。この部分のネジは締め過ぎないように注意が必要です。
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機関部はライラクスPSS10が組み込まれています。
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このプロスナイパーをカスタムしていきます。

VSR-10の弱点の一つにアウターバレルとレシーバーの組み付けにガタがあることがあげられると思います(ストックに組み付ければ固定されますが)。
アウターバレルがレシーバーに1回転多くねじ込めるように、アウターバレル後端を研磨。レシーバーリングを圧迫しながら正位置でぴったり止まる状態にします。
シリンダーの保持がタイトになり、アウターバレルが僅かに後退することでノズルのパッキンへの当たりが強くなります。発射音がかなり小さくなり、気密がアップします。
この加工後はアッパーのみで(ストックに載せずに)、精密な射撃が出来るようになります。弾は1発づつ入れなければなりませんがアッパーにスコープを載せただけの状態で近距離の的あて、遠距離の弾道確認、初速・出力の計測等をしています。
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ピストンに熱収縮チューブを被せ半田を巻きつけてさらに熱収縮チューブで固定。内部にグリスを充填。重さは約50g。スプリングのジャダー音が小さくなります。出力が規制値を大きく超えるので最後にノズルの内径を絞ります。

ピストンの重さは50gを超えて増やしていくと、発射時にピストンが前進する反動で上下動が出てきます(リアルショックバージョンのように)。
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VSR-10のノーマルのホップレバーの突起を嵩上げする形状にABSパイプを加工して装着。
厚さは試射を繰り返して調整。0.20g、0.25g、0.28g、0.30g弾で試射していますが、ホップ調整に余裕があります。
パッキンは純正品のままですが40から50メートルの弾道が落ち着き、飛距離は60m付近まで伸びます。
本機のホップ調整は0.25弾~0.30弾で「直進後なめらかに下降」から、「直進後山なりに上昇して下降」「直進後急速に上昇し失速してドロップ」まで調整可能です。またホップ最大で撃っても弾詰まりは起きないように突起の高さを調整しています。ホップ最少は保管時にお使い下さい。最小では弾ポロしますので実射時はワンクリック強めてからコッキングして下さい。
加工前(初期型のみのホップレバーと押しゴム)
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加工後
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VSR-10純正インナーバレルの入口から出口まで(内面も全て)研磨仕上げします。ノーマルではプロスナのインナーバレルは出口側テーパー加工がされていません(Gスペックは加工されています)ので加工しておきます。メンテナンスが楽になるよう自動車外装用(業務用、フッ素+ケイ素)コーティング剤で数回コーティングします。
チャンバー組み込み時にガタツキ防止のためにインナーバレルにシールテープを巻いて固定します。

アウターバレルとインナーバレルの空間にウレタンスポンジを挿入し共振を軽減しています。
マズルパーツとインナーバレル先端に3ミリ程の遊びがありましたので、アウターバレル先端を3ミリ短くし、マズルパーツネジ部も5ミリほど削り落しています。
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出力調整のためノズル内径を3.5mm前後に絞ります。ABSパイプを外径4mm、長さ10mm程に削りノズル先端から挿入しています。試射を繰り返し、内径を研磨フィルムで少しづつ広げて出力を調整します。内径を広げ過ぎると0.20弾で規制内でも重量弾でオーバーだったりしますので作り直します。
初速は0.20弾90m/s、0.25弾85m/s,  0.30弾79m/s前後。
ABSパイプはノズル内側から強く押すと抜けてきます。六角レンチ等で押し出せます。
内径の異なるパイプを作っておき、差し替えることで「出力規制値付近で長距離を狙う」ことや少し絞って「静音仕様」にしたりと一丁で性格の異なるVSRを楽しめます。
わずかな内径の調整ですが、出力や発射音、振動が大きく変化します。ノズルを絞らない状態ですと0.20弾~0.30弾で出力規制値を遥かに上回ってしまいますので、必須の調整になります。
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シリンダーヘッド、ノズルともラジオペンチで簡単にまわせます。イメージ 17

ホップパッキン、レシーバーリング前後、ピストンОリング、マガジンは新品に交換しました。
可動部はボルトハンドル・レシーバーエンドを含めすべてグリスアップしてあります。

豪華なカスタムパーツと一点物のウッドストックと希少初期ロットプロスナとの一回限りのコラボチューニングでした。

PSS10のパーツ群のルーツは、優秀なホップシステムがまだ無く出力規制も緩かったころのAPS-2システムのために開発された「憧れの高出力」を実現するものだと思います。一式揃えるとVSRが何本も買えてしまうほど高価です。
現在の規制下ではスプリングをカットするかノズルを絞らないと違法銃になってしまいます。ノズルを絞る方法を選んだのは、スプリングのジャダー音とピストンの打撃音を小さくしたかったからです。
15㎝のサイレンサー(ライラクスMODE2ファットサプレッサー)を装着しますとノーマルのGスペックと比べて実射・空撃ちとも同等か静かに聞こえますし、発射時の音質は低く重たい音に変わっています。更に高価なサプレッサー(MODE2 ダブルフラットグレード)を付けてもいいかもしれません。
アウターバレル先端を短く加工していますので、サイレンサーアタッチメント装着にはねじ込み部分の加工が必要になります。

ピストンの打撃音がシリンダーに響くのを少なくするため、ピストンヘッドとシリンダーヘッド内面についているゴム製のダンパーの厚さ、枚数を調整しています。ノーマル状態ですとブレーキロッドでエアブレーキが効く前にダンパー同士がぶつかっている感じで空撃ちでもうるさかったのが改善できたと思います。

各部を調整するたびにアッパーを組み立てて試射し、また再調整、試射を繰り返しています。今回はストックの調整、塗装にも時間が掛かりました。木製家具を作っている方に木目の出し方、塗料の選択をアドバイスいただきました。
大変勉強になったフルチューニングでした。

私が手を加えられる部分は残らずチューニング致しました。
マズルとアウターバレル先端に加工の跡が残ってしましました。
出来ましたらボルトアクションライフルの扱いに慣れていらっしゃる方にお持ち頂きたいと思います。ストックのネジ込み具合一つで操作性が変わってしまいます。ノーマルVSRとは全くの別物になっていますので初心者の方は避けて頂いた方がよろしいかと愚考致します。
どうか末長くご愛用下さい。

追記
2018年01月06日、09日、12日の3日間、会員登録しているショップの20m室内シューティングレンジで出品商品の最終確認を致しました。
主にPSS10シリンダーへッドのノズルと純正チャンバーパッキンの関係を見直し・調整致しました。弾道の上下のブレが大きい気がしましたので、コッキング後のBB弾のセット位置が純正シリンダーヘッド使用時と同じになるようノズル先端からABSパイプが約2ミリ突き出すよう加工し直しました。
・スコープのヴィンテージ・エレベーション、フォーカス調整、ズーム可変に問題ありません。
・給弾、コッキング、トリガーもスムーズに動作しています。硬いスプリングとテフロンシリンダー独特の表面仕上げの影響でコッキングはかなり重たくなっていますが、慣れるとワンマガジン連射も苦ではなくなります。
  ゼロトリガーとハイプレッシャーピストンゼロの組み合わせは純正のトリガーシステムとは一味違う切れの良さがあります。
・0.20バイオ弾で20m先の幅5cm程のポ-ルにほぼ全弾命中いたします。私の立射の腕の悪さの他に、ワンマガジンに1,2発弾道が逸れることがあります。20mでの精度は純正部品のみでフルチューニングしたGスペック  の方が少し上かもしれません。プロスナの方がGスペックよりバレルが長く、銃先端が軽いので精密に撃つのが難しい気がいたします。発射時の反動は独特で、強いばねで重量増加したピストンを素早く前進させますので重ための鋭い前後動があり、面白い撃ち味になっていると思います。
インナーバレル、外装をクリーニングし、ウッドストックには表面保護のため蜜蝋を亜麻仁油で溶かしたものを薄く塗ってよく拭き取り乾燥してから梱包致します。