tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

VSR-10のフルチューニング No.006(2010 GスペックOD)

フオクでご落札いただきました。ありがとうございます。
  開始価格  : 5,000円       終了価格:45,500円
  • 開始日時
    2018.02.11(日)23:31
  • 終了日時
    2018.02.19(月)00:51
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野外使用2,3回のみの2010年物「GスペックOD」をカスタムパーツを使わずにチューニングしました。
ストックとサプレッサー表面に擦り傷がありますが、内部の状態からも発射回数は少なめで使い込んだ感じはありません。
元箱、取説、ダミーカート、付属品はボルトスリープカバー(ボルトエンドにかぶせるゴム製のカバー)以外は揃っています。
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サプレッサーに擦り傷があります
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スコープはCabela's Alaskan Guide 2-7X32 実銃狩猟用(日本製)。
光学機器やレンズフィルターで有名なケンコーのOEM生産品です。
カモフラ迷彩柄とマットブラックの2種類があります。
近距離は3~4m位からフォーカスが合い、室内撃ちにも使えます。
マウントリングはtascoの実銃用(aircraft grade aluminum製) 高さ6mm。
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「Alaskan GUIDE」
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「KENKO OPTICS JAPAN」
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NITROGEN GAS封入 完全防水
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マットブラックモデル
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tasco実銃用マウントリング
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銃全体を50%アルコール水で清掃、脱脂し、ケイ素・フッ素コーティング剤で保護します。加工後に再度施行します。
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滑らかなトリガープル、ノーマルを超える射程距離と命中精度。上質な操作感を目指しました。

個体差はありますがVSR-10はレシーバーとレシーバーエンドの組み付け位置にずれがあるものがあります。シリンダー保持の位置決めとトリガーシステムの動作に影響があります。使用していくと緩みも出る部分ですので、アルミシート、アルミテープを挿入して組み付けます。
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トリガープルを滑らかにするためトリガーシステムを分解清掃。パーツを研磨し、グリスアップして組み上げます。
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VSR-10の弱点の一つにアウターバレルとレシーバーの組み付けにガタがあることがあげられると思います(ストックに組み付ければ固定されますが)。
アウターバレルがレシーバーに1回転多くねじ込めるように、アウターバレル後端を研磨。両面に4箇所ある出っ張りの片面だけを切り取ったレシーバーリングを圧迫しながら正位置で止まる状態にします。圧迫されたレシーバーリングによりシリンダーの保持がタイトになります。
アウターバレルが僅かに後退することでノズルのパッキンへの当たりが強くなり気密がアップします。
ねじ止めしなくてもアウターバレルとレシーバーがガッチリと組み合い、発射音がかなり小さくなります。
この加工後はアッパーのみで(ストックに載せずに)、精密な射撃が出来るようになります。
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VSR-10のシリンダはノーマルだと開口部の内側にバリが残った状態です。そのまま使うとОリング、ピストン外周やリリースレバーを傷つけてしまうので綿棒でバリの位置を確認しながら、2000番の研磨フィルムで研磨し引っ掛かりがなくなるよう仕上げます。

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インナーバレル出口とサプレッサー入り口をつなぐマズルパーツ内部を、テーパー状に加工します。インナーバレル先端はブレ止めのためシールテープを巻いてあります。また。チャンバー部分にもシールテープでブレ止めをしてあります。ノーマルの状態では、インナーバレルはマズルパーツの中で固定されずわずかに遊んでいる個体がほとんどです。アウターバレルを掌でたたいて「カチッ カチッ」と音がするのはインナーバレル先端が動いてアウターバレル内のマズルパーツに当たる音です。シールテープを薄く巻いてやると固定できますが、インナーバレルの長さが足りていない場合は1~1.5ミリ位の幅で溝が残ってしまします。この溝を解消し、インナーバレル出口からサプレッサー入り口まで出来るだけエアーがスムーズ流れるよう加工しています。
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インナーバレルの入口から出口まで研磨仕上げします。メンテナンスが楽になるよう自動車外装用(業務用、フッ素+ケイ素)コーティング剤で数回コーティングします。
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ピストンヘッドに4つ穴をОリング内側まで貫通させリードバルブ化。シリンダーヘッドのあたり面をテーパー状に加工し、ピストンヘッド面の穴を塞がないようにします。ピストン前進後の負圧対策で弾道を安定させます。
 加工前の状態
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    加工後
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ピストンに半田を巻き付け絶縁テープで固定、熱収縮チューブで保護。長さ15ミリ、直径10ミリの金属製スペーサーをスプリングガイド部に挿入。ピストンの重さは50g前後に。スプリングのジャダー音等が気にならないレベルに静かになります。50g位ですと0.28弾、0.30弾で最大出力になり、46g位では0.25弾、0.28弾で最大出力が出ます。スペーサーをピストン内に入れるかガイド部に入れるかでもピストンの重量が変わります。
ピストン内にスペーサーを入れてスプリングの圧縮が出来ない場合はガイド部に入れることが出来ます。
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シリンダー内面、スプリング、ピストン内部にグリスを塗り組みあげます。
コッキングのたびにスプリングにグリスが行き渡るようにしています。
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VSR-10のノーマルのホップレバーの突起を嵩上げする形状にABS製パイプを加工して装着。
パッキンは純正品のままですが40から50メートルの弾道が落ち着き、飛距離は60m付近まで伸びます。
本機のホップ調整は最小で玉ポロせず、0.20弾~0.30弾で「直進後なめらかに下降」から、「直進後山なりに上昇して下降」「直進後急速に上昇し失速してドロップ」まで調整可能です。12~13クリック以上では弾詰りします。
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ノズルは給弾時にBB弾とチャンバー入り口に当たりますのでごく僅かに角を落とすよう研磨しています。チャンバー入り口部分も滑らかに研磨しています。
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出力調整のためノズル内径を絞ります。ABSパイプを外径4mm、長さ7mm程に削りノズル先端から挿入しています。試射を繰り返し、内径を研磨フィルムで少しづつ広げて出力を調整します。内径を広げ過ぎると0.20弾で規制内でも重量弾でオーバーだったりしますので作り直します。
初速は0.20弾90m/s、0.25弾85m/s、0.28弾82m/s、0.30弾77m/s前後。
ABSパイプはノズル内側から強く押すと抜けてきます。六角レンチ等で押し出せます。
内径の異なるパイプを作っておき、差し替えることで「出力規制値付近で長距離を狙う」ことや少し絞って「静音仕様」にしたりと一丁で性格の異なるVSRを楽しめます。
わずかな内径の調整ですが、出力や発射音、振動が大きく変化します。ノズルを絞らない状態ですと0.20弾~0.30弾で出力規制値を上回ってしまいますので、必須の調整になります。
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アウターバレルとインナーバレルの空間にウレタンスポンジを挿入し共振を軽減しています。
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ストックの吸音加工です。発射音の反響が減りかなり静かになります。
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ストック後部の空洞にもスポンジを詰めています。                 
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可動部はボルトハンドルとエンドキャップも含めて全てグリスアップしてあります。
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シリンダーヘッドを回すのに工具は必要ありません。滑り止めのゴムシート等で簡単に回すことが出来ます。しっかり締めることも可能です。滑り止めのある軍手でもいいと思います。

ピストンОリングは「G.A.W製FRUS-Oリング」に交換済。パッキン、前後レシーバーリングも新品に交換済み。シリンダーヘッドОリングに異常ありません。

一部にネジロック剤を使用していますが、タミヤ製で弾力が持続するタイプですのでネジが回せなくて困ることはないはずです。

カスタムの内容は以上になります。
お金を掛けていないカスタムですが、各部を調整するたびにアッパーを組み立てて試射し、また再調整、試射を繰り返しています
私が手を加えられる部分は残らずチューニング致しました。
高価なカスタムパーツは使っていません。純正部品は交換が必要になっても大変安価で済みますので、長くご愛用でいただけると思います。

2018年2月12日月曜日に、会員登録しているショップの20m室内シューティングレンジで出品商品の最終確認を致しました。
・スコープのヴィンテージ・エレベーション調整、ズーム可変、フォーカス調整に問題ありません。
・給弾、コッキング、トリガーもスムーズに動作しています。
ゼロイン後は、立射、0.25弾で20m先の幅5cm程のポ-ルにほぼ全弾命中いたします。

ベテランのゲーマーさんで野外フィールドではスナイパー役の方が、愛用のGスペックを持ってきていらしたので撃たせていただきました。
バレルをショート化、限界まで弾速を上げ、トリガーの遊びがゼロというこだわりの逸品でした。勉強になりました。
出品のGスペックを撃っていただいたところ「静かですねー!」と驚かれました。「一緒に撃ちませんか?」と20m先に「ボトルコーヒーのアルミキャップ」を吊り下げて下さったので、立射で数発当てましたら「すごいです、最高です!」と銃の命中精度をお褒めいただきました。

チューニング後の出力測定、遠距離弾道チェック、レンジでの最終確認で数百発撃ちましたので、シリンダー内とレシーバーリング等を再度グリスアップしました。インナーバレル内を清掃とコーティング、外装全体も再度コーティングしてから梱包致します。


ご覧いただきありがとうございます。