tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

VSR-10のフルチューニング No.007(2017 プロスナDE 静音仕様)

フオクでご落札いただきました。ありがとうございます。
  開始価格  : 35,000円       終了価格:36,000円
  • 開始日時
    2018.02.26(月)00:16
  • 終了日時
    2018.03.04(日)23:56

2017年12月新品購入の「プロスナDE」をフルチューンしたうえで、消音性能をオリジナルより引き上げた「KM企画フェザーウェイトサイレンサー」を組み合わせ、Gスペックを上回る静音仕様にしました。
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全長65mmしかないサイレンサーですが、発射音の高域成分が見事に吸収されます。サイレンサー出口を同社のバレルホールドで内径8mmに絞りますとさらに静かになります。
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ノーマルのプロスナ&Gスペックとの発射音・操作音の比較動画です。

銃本体はカスタムパーツを使わずにノーマルを大きく上回る射程距離・命中精度・上質な操作感を目指してフルチューニングしました。
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元箱、取説、ダミーカート、付属品一式揃っています。
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マウントベースとマズルアタッチメントは純正品を装着しました
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スコープはCabela's Alaskan Guide 2-7X32 実銃狩猟用(日本製)。
光学機器やレンズフィルターで有名なケンコーのOEM生産品です。
カモフラ迷彩柄とマットブラックの2種類があります。
近距離は3~4m位からフォーカスが合い、室内撃ちにも使えます。
マウントリングはtascoの実銃用(aircraft grade aluminum製) 高さ6mm。
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「Alaskan GUIDE」
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「KENKO OPTICS JAPAN」
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NITROGEN GAS封入 完全防水
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マットブラックモデル
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tasco実銃用マウントリング
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個体差はありますがVSR-10はレシーバーとレシーバーエンドの組み付け位置にずれがあるものがあります。シリンダー保持の位置決めとトリガーシステムの動作に影響があります。使用していくと緩みも出る部分ですので、アルミシート、アルミテープを挿入して組み付けます。
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トリガープルを滑らかにするためトリガーシステムを分解清掃。パーツを研磨し、グリスアップして組み上げます。
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VSR-10の弱点の一つにアウターバレルとレシーバーの組み付けにガタがあることがあげられると思います(ストックに組み付ければ固定されますが)。
アウターバレルがレシーバーに1回転多くねじ込めるように、アウターバレル後端を研磨。両面に4箇所ある出っ張りの片面だけを切り取ったレシーバーリングを圧迫しながら正位置で止まる状態にします。圧迫されたレシーバーリングによりシリンダーの保持がタイトになります。
アウターバレルが僅かに後退することでノズルのパッキンへの当たりが強くなり気密がアップします。
ねじ止めしなくてもアウターバレルとレシーバーがガッチリと組み合い、発射音がかなり小さくなります。
この加工後はアッパーのみで(ストックに載せずに)、精密な射撃が出来るようになります。
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VSR-10のシリンダはノーマルだと開口部の内側にバリが残った状態です。そのまま使うとОリング、ピストン外周やリリースレバーを傷つけてしまうので綿棒でバリの位置を確認しながら、2000番の研磨フィルムで研磨し引っ掛かりがなくなるよう仕上げます。

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アウターバレルとインナーバレルの空間にウレタンスポンジをきつく圧縮しながらに挿入し共振を防止、位置決めしています。アウターバレルの前半分全体がバレルスペーサーになっているような感じです。
また、チャンバー部分はシールテープでブレ止めをしてあります。ノーマルの状態では、インナーバレルはマズルパーツの中で固定されずわずかに遊んでいる個体がほとんどです。アウターバレルを掌でたたいて「カチッ カチッ」と音がするのはインナーバレル先端が動いてアウターバレル内のマズルパーツに当たる音です。
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純正インナーバレルの入口から出口まで研磨仕上げします。ノーマルではプロスナのインナーバレルは出口側テーパー加工がされていません(Gスペックは加工されています)ので加工しておきます。メンテナンスが楽になるよう自動車外装用(業務用、フッ素+ケイ素)コーティング剤で数回コーティングします。
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ピストンヘッドに4つ穴をОリング内側まで貫通させリードバルブ化。シリンダーヘッドのあたり面をテーパー状に加工し、ピストンヘッド面の穴を塞がないようにします。ピストン前進後の負圧対策で弾道を安定させます。
 加工前の状態
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    加工後
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ピストンに半田を巻き付け絶縁テープで固定、熱収縮チューブで保護。長さ15ミリ、直径10ミリの金属製スペーサーをスプリングガイド部に挿入。ピストンの重さは50g前後に。スプリングのジャダー音等が気にならないレベルに静かになります。
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シリンダー内面、スプリング、ピストン内部にグリスを塗り組みあげます。
コッキングのたびにスプリングにグリスが行き渡るようにしています。
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VSR-10のノーマルのホップレバーの突起を嵩上げする形状にABS製パイプを加工して装着。
パッキンは純正品のままですが40から50メートルの弾道が落ち着き、飛距離は60m付近まで伸びます。
本機のホップ調整は最小で玉ポロせず、18~21(最大)クリックで弾詰まりします。0.20弾~0.30弾で「直進後なめらかに下降」から、「直進後山なりに上昇して下降」「直進後急速に上昇し失速してドロップ」まで調整可能です。
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ノズルは給弾時にBB弾とチャンバー入り口に当たりますのでごく僅かに角を落とすよう研磨しています。チャンバー入り口部分も滑らかに研磨しています。
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出力調整のためノズル内径を絞ります。ABSパイプを外径4mm、長さ7mm程に削りノズル先端から挿入しています。試射を繰り返し、内径を研磨フィルムで少しづつ広げて出力を調整します。内径を広げ過ぎると0.20弾で規制内でも重量弾でオーバーだったりしますので作り直します。
初速は0.20弾90m/s、0.25弾85m/s、0.28弾81m/s、0.30弾77m/s前後。
ABSパイプはノズル内側から強く押すと抜けてきます。六角レンチ等で押し出せます。
内径の異なるパイプを作っておき、差し替えることで「出力規制値付近で長距離を狙う」ことや少し絞って「静音仕様」にしたりと一丁で性格の異なるVSRを楽しめます。
わずかな内径の調整ですが、出力や発射音、振動が大きく変化します。ノズルを絞らない状態ですと0.20弾~0.30弾で出力規制値を上回ってしまいますので、必須の調整になります。
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ストックの吸音加工です。発射音の反響が減りかなり静かになります。
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ストック後部の空洞にもスポンジを詰めています。               イメージ 25

可動部はボルトハンドルとエンドキャップも含めて全てグリスアップしてあります。
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シリンダーヘッドを回すのに工具は必要ありません。滑り止めのゴムシート等で簡単に回すことが出来ます。しっかり締めることも可能です。滑り止めのある軍手でもいいと思います。

ピストンОリング、パッキン、前後レシーバーリング、シリンダーヘッドОリングに異常ありません。

一部にネジロック剤を使用していますが、タミヤ製で弾力が持続するタイプですのでネジが回せなくて困ることはないはずです。

カスタムの内容は以上になります。
マズルアダプター(純正)・サイレンサー+バレルホールド(KM企画)で静かなスナイパーライフルになりました。

高価なカスタムパーツは使っていないチューニングですが、各部を調整・加工するたびにアッパーを組み立てて試射し、また再調整、試射を繰り返しています
私が手を加えられる部分は残らずチューニング致しました。
純正部品は交換が必要になっても大変安価で済みますので、長くご愛用でいただけると思います。


ご覧いただきましてありがとうございます。