tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

マウントベースとマウントリングなど「KING CRAFT RIFLE様」の記事から

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ステイヤー マンリカ SSG69ライフル。口径:7mm Rem Mag。後部ロッキング6枚ラグ ボルト。ラグ修正の必要が無いほど6枚ロッキングラグとリセスの面接触は良好だった。流石、オーストリア陸軍スナイパーライフルの素性を垣間見れる SSG69モデル。」

 

写真のライフルは、口径7mm Rem MagのSteyr Mannlicher SSG 69 ハーフ ストックライフルです。キングクラフトを訪問された〇氏が10月に購入され、わずか1ケ月で許可が下りた新品ライフルです。

マンリカSSG69は、1969年~2015年までの間に製造販売されました。非常に丁寧に仕上げられたストックには、ローズチップが取り付けられ、ストック外形も手作業で作られた後、オーストリア職人が、手作業でチェッカリングを施したライフルです。細身のクラシックスタイルは、とても体にフィットします。

マンリカSSG69ライフルは、今では珍しい後部ロッキング 6枚ラグを採用しております。後部ロッキング ラグ ライフルは、ボルトボディ直径が、フレーム内径ピッタリに仕上げてあるので、グルーピングが小さいことが魅力です。銃身は、コールドハンマー製。この銃身は、1時期作られたポリゴナル貝殻銃身とは違い、エンフィールド6本ライフリングを使用。着脱マガジン3発。トリガーは、セットトリガー。トリガーシューを前方へ押せばセット完了です。セットトリガーに慣れると、他のライフルのトリガーは引けなくなるほどの中毒トリガーです。

現在販売されている、Steyr Mannlicher SM12は、2014年、マンリカ社創立150周年イベント開催にともないモデルチェンジしました。マンリカSM12のボルトは、フロントロッキング ラグ方式に変更されました。
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マンリカ SSG69には、フレーム直径36mmのオーストリア陸軍スナイパーモデルPIと、35mmの民間コマーシャルモデルが存在します。36mm軍用モデルは、スコープベースをフレームにアリ溝加工されております。此処で、ご紹介しているマンリカSSG69は、フレーム直径35mmの民間コマーシャルモデルなので、スコープマウントベースを取り付けなければ、スコープが乗りません。このマンリカ SSG69には特殊なマウントベースをお作り致しました。

スコープ射撃は、マウントベースの完成度が命です。マウントベースは、金属フラットバーを機関部に固定し、前後同時にフライス加工すれば、スコープ脱着を繰り返しても、着弾点とクロスヘアは狂いません。また、スコープをつけた時のアイリリーフと、スコープ瞳中心を覗くことが出来るように、高さや前後長を細かく計算することで、スナップショットが実行できます。

アメリカのガンマガジンで紹介されているような、スコープリングを、スコープ マウントリング・アレンジメント リーマーで、リング矯正を行なえば、その瞬間に、リングはオシャカになる。

スコープベースが前後左右に、高さも位置もズレているのだから、リングをリーマーで削っても治りません。力任せにリングをリーマーで、ゴリゴリ削れば、リング内径は広がり、緩々リングが完成します。この様なリーマー作業をして、多くの狩猟家がスコープリングを壊した事でしょう。

ヨクヨク考えて見れば、スコープリングが悪いのでは無く、スコープベースの水平垂直センターが出ていないのが原因なのです。スコープベースを、水平垂直センターで、丁寧に作れば済むことなのです。

 

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スコープリングを、スコープ マウントリング・アレンジメント リーマーで、リング矯正を行なえば、その瞬間に、リングはオシャカになる。リングが問題では無く、ベースの高さ、左右ズレが問題なのだから、ベースを水平垂直センターで作れば、こんなリーマーは不要。百害あって一利なしのリーマー。」

 

今回は、鉄より硬い超超アルミ合金ANP79と、マンリカ SSG69用の細目ベースネジの在庫が無かったので、大同特殊鋼MAS1C300マルエージング鋼から削り出して作りました。MAS1C300マルエージング鋼は、ロールスロイスジェットエンジンのメインシャフトに使用される金属で、ネジ素材としては、これ以上の物は存在しません。キングクラフト社内で熱処理を行ったので、市販ライフル ベースネジの6倍も強力なネジが完成しました。

マンリカSSG69に作ったスコープマウントベースは、フロントベース裏側がローディングポート淵に引っ掛けてあります。フロントベース裏側ホゾ部分は、リコイルストッパーとなり、フロントベースはズレません。中間シャフトはMAS1C300マルエージング鋼のラウンドバーを使用して、後部ベースをリコイルストップさせる為の突っ張り棒です。

スコープマウントベースの総重量は30gでした。驚くほど軽量なスコープマウントベースに仕上がりました。

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フロントベースは、裏側にホゾを設けた。ベースホゾ部分は、ローディングポート淵に引っ掛けてある。中間のMAS1C300シャフトは、後部ベースのストッパーの役目をする突っ張り棒。7mm rem magは、反動が大きいので、ネジだけでベースを止めると、ネジは折損する。」
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スコープマウントリングは、テリーマウントリングを使用しました。中間で割ってあるリングは、最低だと、コケ脅すライターもおりますが、そんな事はない。1度組み込んで仕舞えば横割りリングと変わらなく使える。デダッチャブルリングは、本来、アフリカサファリのデンジャラスゲームで鍛え上げられた末に完成したスコープリング形状です。狩猟で使ってみればデダッチャブル リングは使いやすい。デダッチャブルリングの市販品は、テリーか、ワーンしか販売されていない。超高級なキングクラフト製作の横割りデダッチャブルリングには、6al4v チタン製ヒンジtypeもありますが、とても高価なので、誰もが購入できる金額ではありません。何れにせよ、デダッチャブルリングは、デンジャラス ハンティングでは必需品なのです。
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S氏は、ライフルを所有するのが今回、初めての為、リローディング テクニックから教わりたいとのことで、キングクラフトに於いて、ダイセッティング、実技指導を行いました。

マンリカ SSG69のリローディングに於いて、特に気を付けなければならない事は、マンリカ SSG69のボルトハンドルを閉鎖した時、ボルト前後自由長が少なく、薬室ヘッドスペースに薬莢ヘッドスペースをピッタリ合わせられない場合、グルーピングはバラバラになります。つまり、新品薬莢をそのまま使ってもグルーピングは、バラバラになる。

今回は、キングクラフト製作7mm Rem Magの特注ヘッドスペースダイを使用してケース作りを行ないましたので、ヘッドスペース不適合によるフライヤーは絶対に起こりません。

翌日の初撃ちは、○○射撃場まで、ご同行させて頂きました。

掲載した的紙は、〇氏が初撃ちされたものです。〇氏の許可を得て公開しております。100mでの依託射撃では有りますが、ライフル初心者の初撃ち10発。それも7mmマグナムの初撃ち10発としては、申し分無いグルーピングです。〇氏は、大喜び、とても感激されておられました。

以上、

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数年前までは、マルイ純正VSR-10用マウントベース(Gスペックには付属)の精度の下落に、悩んでいました。削ったり、切り離したりしてもだめで、社外品に付け替えて出荷していた時期がありました。現在は、金型が新しくなって、実用上問題のないパーツになっています。

 

チューニングのオプションで、トイガン用スコープにはトイガン用マウントリングをセットしています。実銃用スコープには、安価ですがtascoのaircraft grade aluminum製の実銃用マウントリングをセットしています。「おもちゃ・おもちゃ用」と「実用品」のちがいは、語るまでもないことで、、。

VSR-10が18歳以上用「おもちゃ」ですから、市販のおもちゃ用パーツをいろいろ組み込んで楽しめばいいわけですが、「オモチャっぽくないおもちゃが欲しい!」「もっと高性能なおもちゃが欲しい!」となるんですよね。

 

薬室と薬莢のヘッドスペースの一致は、エアソフトでいえばホップパッキンの内部形状とBB弾の待機状態になるでしょうか?

マルイ純正パッキンの、BB弾を毎回同じように保持できる、あの「ごっつい出っ張り」は正義なのです。

 

オーストリア陸軍スナイパーライフルの素性を垣間見れる SSG69モデル」か、、。

そういえば、彼の国でサバイバルゲームエアソフトガンをプロデュースしている「NOVRITSCHさん」のボルトアクションが「SSG24」でしたねー。