tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

VSR-10のフルチューニング No.009( Gスペック ナカヤ製ウッドストック )



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2016年6月購入、室内で2、3回の的あてに使用されたGスペックをチューニングします。飛距離・命中精度・静音性・操作感を向上させます。
新品同様ですが、2016年のGスペックはマウントベースが旧金型での生産で、肉眼でも後ろ二つの山が低いのがわかります。精度の高い現行品と交換しています。
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ストックはナカヤ製2018年4月発売の新品。ブナ材のオイル仕上げです。ウレタン仕上げと違って自然な艶と木肌に直接触れる感触が魅力です。出荷時は表面が油分で覆われていますので綿布で軽く拭き取ってあります。
ナカヤさんのストックはGスペック用とプロスナ用がありますが単にデザインが別なだけでなく、アッパーの重心位置のちがいを考慮して作られています。
純正ストックではフロントヘビーになっているGスペック用は前が軽く後ろが重たくなっていますし(ストック単体の重心はグリップより後方)、プロスナ用はストック単体でグリップしたとき重心が中指と薬指のあたりにあります。
Gスペック用にプロスナやリアルショックを載せることもできますが、前後の重量バランスが悪くなってしまいます。
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イメージ 22チューニングしたアッパーをのせるためネジ穴等を加工しています。
ストックの開口部は切削断面がとてもシャープなので指などを切らないよう1,000番のペーパーで丸めてあります(丸める必要のない個体もあります)。
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元箱、取説、付属品一式揃っています。
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スコープはCabela's Alaskan Guide 2-7X32 実銃狩猟用(日本製)。
光学機器やレンズフィルターで有名なケンコーのOEM生産品です。
近距離は3~4m位からフォーカスが合い、室内撃ちにも使えます。
マウントリングはtascoの実銃用(aircraft grade aluminum製) 高さ6mm
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マットブラックモデル
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NITROGEN GAS封入 完全防水
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「KENKO OPTICS JAPAN」
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tasco実銃用マウントリング
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レシーバーとレシーバーエンドは右側の隙間が大きかったのでアルミテープを貼りセンターを出します。
ここがずれているとコッキングの際にシリンダーヘッドのノズルがチャンバー入り口にガツガツ当たったり強く擦れてしまいます。また、極端に調整しすぎるとトリガー動作やボルトハンドルの閉鎖に影響が出ます。
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バリ取り後のシリンダー開口部です。バリは開口部の内面にありますので綿棒でなぞり、引っ掛かりが無くなるまで研磨します。開口部の垂直面と外側も面取りしておきます。これで何年使ってもたまにグリスを塗ってやればピストン・Оリング・リリースレバーは大丈夫なはずです。
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ボルトハンドル部は新品から少し使って当たりが出たころに分解清掃・グリスアップしてやると動きが滑らかになります。ボルトエンドのネジは緩みやすいのでねじ止め剤を塗っておきます。
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ピストンヘッドに4つ穴をОリング内側まで貫通させリードバルブ化。シリンダーヘッドのあたり面をテーパー状に加工し、ピストンヘッド面の穴を塞がないようにします。ピストン前進後のインナーバレル内の負圧対策で弾道を安定させます。PDIのバキュームピストンなどと同じ考えです。
ノーマルよりテーパーが深くなりますのでブレーキロッドの効くタイミングが僅かに遅くなります。ノズルの絞り加減で出力と静かさのバランスを取ります。
 加工前の状態
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   加工後
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ピストンに半田を巻き付け絶縁テープで固定、熱収縮チューブで保護。重さは50g弱に。重量弾を飛ばすのに最適な出力特性になるようホップアップの掛かり具合、スプリングのテンション増加と合わせての調整です。この加工プラス、ノズルの絞り、スプリングへのグリス塗り、アウターとレシーバーのガタ解消で発射時の振動やスプリングのジャダー音が極めて小さくなります。
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ノズル先端はBB弾やチャンバー入り口に当たりますので、全ての段差の角をわずかに研磨しています。
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15mmのスペーサーでスプリングのテンションアップ。
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ピストン内にグリスを充填してコッキングのたびにスプリングに行き渡るようにします。発射時のジャダー音が少なくなります。
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インナーバレルの内面を研磨仕上げします。特に出口のテーパー部と入り口の発射前にBB弾を保持する部分は滑らかな鏡面仕上げにします。メンテナンスが楽になるよう自動車外装用(業務用、フッ素+ケイ素)コーティング剤で数回コーティングしています。
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VSR-10の弱点の一つにアウターバレルとレシーバーの組み付けにガタがあることがあげられると思います(ストックに組み付ければ固定されますが)。
アウターバレルがレシーバーに1回転多くねじ込めるように、アウターバレル後端を研磨。両面に4箇所ある出っ張りの片面だけを切り取ったレシーバーリングを圧迫しながら正位置で止まる状態にします。圧迫されたレシーバーリングによりシリンダーの前方の保持がタイトになります。コッキングが非常に滑らかになります。
ねじ止めしなくてもアウターバレルとレシーバーがガッチリと組み合い、発射音・振動がとても小さくなります。
この加工後はアッパーのみで(ストックに載せずに)、精密な射撃が出来るようになります。
 加工前の状態
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  加工後
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インナーバレル出口とサプレッサー入り口をつなぐマズルパーツ内部をテーパー状に加工します。インナーバレル先端はブレ止めのためシールテープを巻いてあります。また。チャンバー部分にもシールテープでブレ止めをしてあります。ノーマルの状態では、インナーバレルはマズルパーツの中で固定されずわずかに遊んでいる個体がほとんどです。アウターバレルを掌でたたいて「カチッ カチッ」と音がするのはインナーバレル先端が動いてアウターバレル内のマズルパーツに当たる音です。シールテープを薄く巻いてやると固定できますが、インナーバレルの長さが足りていないので1~1.5ミリ位の幅で溝が出来ます。この段差を解消しインナーバレル出口からサプレッサー入り口までエアーが乱流を起こさずスムーズ流れるよう加工しています。
フライヤーの発生を抑えて集弾性向上に効果があります。
 加工前の状態
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 加工後
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VSR-10のノーマルのホップレバーの突起を嵩上げする形状にABS製パイプを加工して装着。
パッキンは純正品のままですが40から50メートルの弾道が落ち着き、飛距離は60m付近まで伸びます。
本機のホップ調整は最小で玉ポロせず、最大でも弾詰りしません。0.20弾~0.30弾で「直進後なめらかに下降」から、「直進後山なりに上昇して下降」「直進後急速に上昇し失速してドロップ」まで調整可能です。
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チャンバーはバリ取り、研磨仕上げしています。特にBB弾とノズルが入る入り口部分は段差をなくして滑らかな曲面にしています。研磨・洗浄後コーティングしています。
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トリガープルを滑らかにするためトリガーシステムを分解清掃。パーツを研磨し、グリスアップして組み上げます。
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出力調整のためノズル内径を絞ります。ABSパイプを外径4mm、長さ7mm程に削りノズル先端から挿入しています。試射を繰り返し、内径を研磨フィルムで少しづつ広げて出力を調整します。内径を広げ過ぎると0.20弾で規制内でも重量弾でオーバーだったりしますので作り直します。
初速は0.20弾90m/s、0.25弾84m/s、0.28弾82m/s、0.30弾79m/s前後を目安に調整しています。
ABSパイプはノズル内側から強く押すと抜けてきます。六角レンチ等で押し出せます。
内径の異なるパイプを作っておき、差し替えることで「出力規制値付近で長距離を狙う」ことや少し絞って「静音仕様」にしたりと一丁で性格の異なるVSRを楽しめます。
わずかな内径の調整ですが、出力や発射音、振動が大きく変化します。ノズルを絞らない状態ですと0.20弾~0.30弾で出力規制値を上回ってしまいますので、必須の調整になります。


アウターバレルとインナーバレルの空間にウレタンスポンジを挿入し共振を軽減しています。
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カスタムの内容は以上になります。マウントベースは新品の現行品に交換しています。
ナカヤ製ウッドストックと実銃用スコープ・マウントリング以外はお金を掛けていないカスタムですが、各部を調整するたびにアッパーを組み立てて試射し、また再調整、試射を繰り返しています
私が手を加えられる部分は残らずチューニング致しました。
カスタムパーツは使っていません。純正部品は交換が必要になっても大変安価で済みますので、長くご愛用いただけると思います。

ご覧いただきありがとうございます。