tascoTitanのブログ

最高のカスタムVSR-10を目指して

No.013 VSR-10フルチューニング(2018 GスペックOD)

ヤフオクのチューニングメニューからのご依頼により、現行GスペックODのフルチューニングに着手いたしました

追記:2018年5月26日土曜日
レンジでの試射後、純正ストックに載せ替え40~50mの弾道を確認いたしました。各部の動作とともに問題なく仕上がっていると思います。
2018年5月28日月曜日
ご依頼主様へ発送せていただいました。


スコープのマウント方法です。自己流ですがこれでいつも上手くいくので、、。
ストックに載せる前にスコープを取り付けます。チャンバーブロックが平らな机の上に乗るようにして、
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チャンバーブロックの水平と、
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マウントベースの水平を確認します。ここでずれていたらアウターバレルのねじ込みを調整し直しです(組み付け時に確認していますが)。
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マウントリング・スコープを乗せて、スコープの水平を出します。リングのネジの締め方でズレますので、根気よく。
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リングのネジを締めこんで水平が出ていましたら、これでチャンバーとスコープの水平がほぼあっていると思います。
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ご購入後間もない新品をお送りいただきました。
お電話での打ち合わせで、「野外ロングレンジ、サバイバルゲームで使用」
「重量弾を長距離へ飛ばす、弾速は高めに」「トリガーストロークをやや短く、プルは少し軽め」とのご希望でした。ホップアップも弾道の微調整が容易なチューニングにご興味をお持ちいただいたようです。
充分なお時間を頂戴しておりますので、加工とテストを繰り返してご希望のスナイパーライフルに仕上げていきます。
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ストック開口部はマガジン挿入部以外は角が立っていますのでペーパーで丸めておきます。
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ストックの消音加工です。
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一旦コーティングしておきます。
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アッパーを分解します。
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各パーツを点検します。
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レシーバーエンド、レシーバー内部に金属粉が、、。かなりの量です。
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マウントベース裏側にも付着しています。
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推測ですが組み立ての最終段階で「シリンダーリリースレバー」が入らず、塗装ごと削り直した為と思われます。荒っぽく削られています。削りカスは取り除いておいて欲しい所です。
アウターバレルのチャンバーから後方の長さ・アウターバレルを受けるレシーバー内部の加工・レシーバー穴あけ位置の誤差のどれかだと思いますが、従来の「アウターバレル後端を削ってレシーバーに1回転多くねじ込み固定する」加工が出来ないかもしれません。チューニングの要ですので対策を検討します。
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シリンダーヘッドが少しズレています。可愛い方で、2015~2016年頃に思いっきりずれているのがありましたから、、。これくらいなら発射動作に影響はありませんがメンテナンスでシリンダーを抜き差しするときに前方のレシーバーリングに引っ掛かりますので、ヘッドとシリンダーとも出っ張りを研磨します。
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研磨後 荒削りのみ。ヘッド内側の加工時に仕上げの研磨をします。
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チャンバーがアウターバレルに固定される位置はここなのですが。
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インナーバレル先端がマズルに当たって固定される位置はもっと前です。ネジ穴の半分程前で当たります。「インナーバレル先端が固定されない。先端から先の空間が直径8.5mm+αに広がった直後、直角に直径約7mm(マズル内径)に絞られる」ので弾道が広がる・フライヤーが発生する原因になります。対策をします。
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加工前のマズル部分です。
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加工後 開口部の直径はサプレーサーの入口内径に合わせています。広げ過ぎると逆効果です。
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たつき防止です。
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インナーバレル出口・入口の加工を仕上げ直し。
加工前
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加工後
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入口の内面を鏡面加工します。発射時にBB弾がパッキンに押されて逆回転しながら前進する部分ですので摩擦抵抗を減らしておきます。
加工前 細かな凹凸があります。
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加工後
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レシーバーエンドとレシーバーの組み付け。下半分が痩せています。
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チャンバー入口を加工。ノズルがチャンバーを削っていると金属カスがパッキンに付着します。
加工前
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加工後
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シリンダーを開けて各パーツをチェックします。
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お約束のシリンダー開口部のバリですが、最新ロットは過去最強です。ヤスリ状になっています。
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前方の角に大きな出っ張り。
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この未処理の開口部のせいでOリング・ピストン外周部があっという間に削れてしまいます。本機の発射回数は50発未満です。
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開口部が滑らかになるまで研磨し、Oリングは交換、ピストン外周部は軽く研摩します。

ボルトハンドル部をグリスアップします。
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ピストンを加工します。
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「スーパーハイパワー エクセレントサイレント ハイプレッシャー&バキューム ヘビーウェイトピストン(Ver.301.2)」です。 まじか、、?
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シリンダーヘッドも完成。
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この組み合わせでスペシャルな射撃体験を。
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シリンダー完成。
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コッキングのたびにスプリングにグリスが行き渡ります。
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トリガーシステム グリスアップ。プルは軽め、ストロークは少しだけ短めに調整。調整幅がまだありますので追い込んでいただくことも出来ます。
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ホップレバーの嵩上げパーツ(ABS製パイプから作成)。0.20~0.30弾使用可能でホップ最小から最大まで使えるようにテスト・再調整をします。
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インナーバレルにブレ止めをしてチャンバー組み立て。
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インナーバレル先端にブレ止め。アウターバレルとの間にウレタンスポンジ挿入。純正のプラ製のスペーサーは使いません。
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シリンダーを入れる前にサプレッサーを付けた状態でインナーバレルのセンターが出ているか確認します。前後から光源をみて確認します。
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サプレッサーのセンターも確認できます。
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出力測定・調整、最大飛距離の弾道確認・ホップ調整、中距離の集弾性・連射テスト等を行います。
動作確認の動画をアップしました。

出力調整完了しました。ノズルにABSパイプを挿入しています。 最大弾速は、
0.20弾92m/s    0.25弾85m/s    0.28弾82m/s    0.30弾79m/s  (気温24度)
野外フィールドでのご使用を前提に調整致しました。

野外で弾道確認を致しました。手持ちのストックに載せてテストしています。
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ホップは最小から最大まで使用できます(最大でも弾詰まりしません)。
直進後に「下降」「僅かに持ち上がる」「山なりに上昇」「鬼ポップ」まで調節していただけます。0.30弾でもホップ調整に余裕がありますので0.33弾等も使用可能と思われます。
素直な弾道で気持ち良く撃つことができますが、まだ発射数が少ないのでこの後の屋内での集弾性のチェックや連射・速射時の動作確認後、再度遠距離の弾道を確認します。

2018年5月25日金曜日
出力調整や遠距離テストで気になっていた「トリガーストロークが一定でないときがある・静かに引くとわずかに金属の擦れ感がする」を解消するためにトリガーシステムを分解。トリガーとファーストシアーのあたり面を鏡面仕上げ・セカンドシアーのピストンとのあたり面を研磨しました。その後シューティングレンジで試射しましたが抵抗感のない滑らかで安定したトリガープルでした。
20mレンジ依託射撃と手持ち立射の結果です。ホップ調整後一回づつ撃ちました。
右に飛んでるのはホップ調整時の誤射です。
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我ながら下手だなー
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もう少し撃ち込むと集まりが良くなりそうな気がします。
連射・速射ではコッキング・給弾・トリガー動作に問題ありません。

あとは純正ODストックに載せて動作・弾道確認をして完成ですが、、。
ご依頼主様いかがでしょうか?